はんこ豆事典

印鑑・はんこの疑問、質問、豆知識-知っておいて損はない!【はんこ豆事典】

  1. 印鑑とハンコと印章の違いとは
  2. きれいな印鑑(印影)を押印するコツとは
  3. 印鑑を押印するベストな場所とは
  4. 印鑑を押し違えてしまった場合は
  5. 署名と記名、捺印と押印

印鑑とハンコと印章の違いとは

言葉というものは、その時代、時代で意味や呼び名が変わったりするものですが、実は印鑑もその一つです。本来の”印鑑”の意味とはハンコを押印した印影のことで、その印影の中でも実印や銀行印など、地方自治体や金融機関にあらかじめ提出している特定の印影を指して”印鑑”と言います。

よって名前が彫刻してあるだけのハンコは印鑑とは言わず、ハンコ(はんこ・判子)、はん、または一般的にあまり馴染みはありませんが、正しくは印章いんしょうと言います。

しかしハンコを生業とさせていただいてる私でさえも”印章”という言葉を使うことはほとんどありません。相手方に『ここに印章を押してください』などと言うと、おそらく相手方の目が”点”になるはずです。それくらい”印鑑=はんこ”という言葉が世間一般に浸透し、”印鑑”の方が”はんこ”よりも多用されている気さえします。

ヤフーとグーグルのキーワード検索で”印鑑”と”はんこ”がそれぞれどれくらいの割合で検索されているかを調べてみましたが、ある月の月間推定検索数(ヤフーとグーグルの合計)で『印鑑』が220000回、『はんこ』が121000回でした。

”はんこ”よりも”印鑑”の方が倍近く検索されていますが、”印鑑”のキーワードで検索された方が本来の意味である”印影”を想像しながら検索されたとは想像し難く、やはり”はんこ”を想像しながら”印鑑”というキーワードを入力されたに違いありません。

『現在ではこうこうこういう意味で使われていますが、本来はこういう意味でした』なんてよくある話です。ハンコが印鑑に取って代わられる日が来るかもわかりません。

ちなみに”はんこ”と”ハンコ”は全く同じ意味を持つ言葉で、ひらがなとカタカナの違いだけですが、当サイトでは”はんこ”の前後が”ひらがな”の場合に”ハンコ”と表記しています。

きれいな印鑑(印影)を押印するコツとは

印面に朱肉を付け過ぎず

まずは、前回ハンコを押印した時の朱肉が残っていれば、ティッシュやガーゼなどの柔らかいもので印面にのこった朱肉をきれいに拭き取ります。

朱肉を付け過ぎるとかえって鮮明な印影が得られません。とは言っても、現在は朱の油をスポンジに染み込ませたタイプの朱肉が大半ですので、朱の油の付きムラも少なく、さほどむずかしいことはないかと思います。

押印のコツは

押印の際は捺印マットを下に敷き、捺印マットがない場合は、用紙10枚程度を用意し、適度な力加減で重心を”の”の字を書くように、また”逆の”の字を書くように戻ったら、そっと紙から印面を離します。

落款印など押印する紙が和紙などの目が粗い場合は、上記の手順で押印した後、勢いよく印面を和紙から離すのではなく、かなりゆっくりと離します。これを行うことで、和紙の方に朱肉が残ってくれるはずです。

押印し終わったらティッシュやガーゼなどの柔らかいもので印面にのこった朱肉をきれいに拭き取ります。印面をティッシュやガーゼに軽く押し付けて、時計回り、反時計回りと印面を回転させて拭き取るとすばやくきれいに出来ます。よほど材質が劣化していない限り、少々力強く拭いても枠や文字が破損したりすることはありません。印面を常にきれいに保つことが、きれいな印影を得るためのコツです。

それでもダメなら原因は朱肉にあるかも

取扱いが簡単なスポンジ朱肉ですが、フタをして保管していてもスポンジ表面は乾燥しやすく、定期的に朱油を補充しなくてはいけません。補充の目安としては1平方センチあたり1滴落とし、表面をならします。しばらく時間をおいてインクをスポンジに馴染ませたせ様子を見てください。

補充には必ず専用の朱油をご使用ください。メーカーや製品ごとに成分が異なり、混ぜてしまうと化学反応により使用できなくなる場合がございます。

印鑑を押印するベストな場所とは

印鑑を押印する場所については特に規定はございませんが、実印は印鑑証明書の印影と照合しますので文字と重なるような押し方は避けるべきです。よく会社の角印などが住所や社名などの文字の上に押してありますが、角印は実印ではなく照合の必要がないので特に構わないとされます。

また、記名や署名は押印と一体となって初めて当事者の意思の確認という意味になり、あまり間を離して押印すると効力に疑問が残りますのでご注意ください。と言うことで一番良いのは、文字に重なることなく離しすぎない場所ということで、記名や署名のすぐとなりが印鑑を押印する一番良い場所になります。

署名(記名)のすぐ横に捺印(押印)
署名(記名)のすぐ横に捺印(押印)
一番よい押し方です。
署名(記名)に重ねて捺印(押印)
署名(記名)に重ねて捺印(押印)
文字と重なってしまい、印影がわかりにくいため、照合が必要な実印の場合はあまり親切な押し方とはいえません。
署名(記名)とかなり離して捺印(押印)
署名(記名)とかなり離して捺印(押印)
文字と印影が離れすぎており、トラブルになる場合も。
印マークで押印場所が指定されている場合は問題ないです。

印鑑を押し違えてしまった場合は

印鑑を押し違えてしまったり、印影が薄かったからと、その上に重ねて押印しては絶対にいけません。押印を失敗した場合の訂正方法を2パターンご紹介します。但し、以下の2パターンのやり方で押印ミスした印鑑を抹消したあと、その隣に再度押印をやり直すことが前提です。

パターン1/ボールペンで二重線を引いて抹消し、その横に再度押印する

パターン1/ボールペンで二重線を引いて抹消し、その横に再度押印する。

メリット
第三者が見た時、ひと目で印鑑の押印ミスだと分かりやすい。
デメリット
ボールペンと定規が必要。
パターン2/同じ印鑑を用いて抹消し、その横に再度押印する

パターン2/同じ印鑑を用いて抹消し、その横に再度押印する。

メリット
ボールペンがなくても、その印鑑さえあれば抹消できる。
デメリット
第三者が見た時、印影が多く、ひと目で印鑑の押印ミスだと分かりづらい。

パターン1のようにボールペンで二重線を引いて印鑑を抹消し、その横に再度押印をやり直した場合のトラブルについて色々と思案してみましたが、特に問題ないようです。押印ミスの印鑑と同じ印鑑が隣に押印してあることで、押印ミスした本人が二重線で抹消したことは明白です。

但し、ボールペンで二重線を引いて印鑑を抹消してあるが、その横にやり直しの押印がない場合、誰が二重線で印鑑を抹消したのか疑義が生じます。

ボールペンで二重線を引いて抹消してあるが、その横に押印がない
ボールペンで二重線を引いて抹消してあるが、その横に押印がない
本人が認めて一度は押印したが、ボールペンで抹消したパターン。
本人が認めて押印したが、第三者が後から悪意をもってボールペンで抹消したパターン。

結論ですが、押印ミスをしたが再度押印をやり直さない場合は、後々疑義が生じないよう二重線での抹消ではなく、同じ印鑑を用いて抹消した方がいいようです。

署名と記名、捺印と押印

署名と記名

契約書を作成する場合、契約当事者が自分の名前を記す方法として、署名と記名があります。署名とは、本人が自筆で氏名を手書きすることです。筆跡は人によって異なり、筆跡鑑定を行えば、署名した本人が契約した証拠として、その証拠能力はきわめて高くなります。これに対して記名とは、自署以外の方法で氏名を記載することです。

例えば、他人による代筆、ゴム印を押したもの、ワープロで印刷する場合などです。記名は本人の筆跡が残らないため、署名に比べて証拠能力が低くなります。しかし、新商法第32条『この法律の規定により署名すべき場合には、記名押印をもって、署名に代えることができる。』と規定され、記名に押印を加えることで、署名に代えることができるとされています。

つまり、署名=記名+押印ということになり、契約においては押印は不要で、署名があれば契約は有効ということになります。しかし、日本では署名だけの契約書は不十分で、不安な感じがするのも事実です。一般的に署名にも捺印するというのが通例であり、署名の場合にも捺印してもらうのが安全といえるでしょう。法的な証拠能力としては、署名は盗難の心配がないため、証拠能力として高いと思われます。

署名捺印
証拠能力が高い順番
①署名捺印(+住所)
②署名のみ(+住所)
③記名押印(+住所)
④記名のみ(+住所)正式な効力とは認められない
の順になっています。

捺印と押印

捺印と押印の違いにつきましては、どちらも“ハンをおす”という行為を表している言葉であり、「押捺」(おうなつ)という言葉もあるぐらい、全く同じ意味を持ち、使い分けられることも少ない言葉です。当店では、署名という行為が並行してあるものに捺印(捺す)の文字を使い、記名した場合や印鑑のみを押すだけの行為に対して、押印(押す)の文字を使い、両者を使い分けています。

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