はんこ豆事典

実印とは-はんこ豆事典

  1. 実印とは
  2. 三文判と実印
  3. 実印の印鑑登録
  4. 実印の印鑑証明
  5. 引越ししたら実印どうなる

実印とは

実印とは住民登録をしている市区町村の役所や役場に、ご自身の戸籍上の姓名を彫刻したハンコを登録申請し、受理された印鑑のことをいいます。

たとえ、実印のような形態をしていても、登録をしていないものは実印とはいいません。言い換えれば、100円で買ったものでも登録してしまえば、それが実印となるのです。

実印はハンコの中で、もっとも重要なハンコであり、法律上・社会上の権利・義務の発生を伴います。実印は唯一性を守るため銀行印、認印など他のハンコとの併用をさけ、認印のように家族共同で使うことのないようにし、捺印する場合も書類の内容をよく読んで慎重に扱うことが大切です。

実印は姓名を彫刻することとはなっていませんが、姓と名前の両方を彫刻する方が安全です。主に以下の用途に使用します。

  • 公正証書の作成・金銭その他貸借証書・契約書
  • 不動産取引き
  • 遺産相続
  • 法人の発起人となるとき
  • 官公庁での諸手続き・恩給・供託
  • 自動車や電話の取引き
  • 保険金や補償金の受領

三文判と実印

三文判とは、出来合いの安価なハンコをいいますが、現在では、はんこ屋、文房具店、ホームセンターなどのあらゆる場所で販売され、中には100円切るような値段で手に入るようになりました。これらは大半が機械で量産された同型印です。

例えば“田中”という姓の三文判を違う2つのお店で購入したとしても同型の可能性がないわけではないのです。もしくは同じものを探し出すことも不可能ではないでしょう。

このようなハンコを実印として印鑑登録したり、大事な契約や金融機関への届出印として使用することは、危険この上もないことです。

はんこなんて、どうせ形式だから何でもよい、間に合いさえすればよいと思っている人がいますが、自分がそうだから他人様もそうだろうと思うのは大きな間違いで、自分のハンコを大事にする方は、その方のハンコを通じてお人柄を眺めているものです。

私もよく、他人様の捺印の場面に居合わせますが、枠が欠けたもの、上下逆さまに押してあるもの、印影が不鮮明なものなど、それだけでお人柄や人間性など判断できるものではありませんが、しかしながら“なんとなく”イメージとして残ってしまうものなのです。

この機会に現在お持ちのハンコをご確認いただけると幸いです。決してウン万円、ましてやウン十万円の高価なハンコが良いものとも当店では思いません。ご自身に“ふさわしいもの”をお選びいただき、末永くご愛用していただきたいと当店では考えています。

実印の印鑑登録

印鑑登録は法律ではなく地方条例のため、市区町村によって登録できる印鑑の基準に多少の違いがありますが、ほとんどの部分で共通しています。

実印の登録資格

  • その市区町村に住民登録していること。
  • 15歳以上である。

実印として登録できる印鑑

  • 大きさが一辺8mmから25mmの正方形に収まるもので、形に制限はなく、1人1個に限り印鑑の登録を受けることができます。
  • 文字は住民基本台帳または外国人登録原票に記録されている氏名、名、あるいは氏と名の一部を組み合わせたものに限られます。
  • ※『…印』、『…之印』、『…之章』の字句は登録できます。(一部の地方自治体の条例によってはで登録できない場合があります。)
  • ※フルネーム彫刻が望ましいですが、氏または名のみ彫刻の印鑑の場合は、一部の地方自治体の条例によっては登録できない場合があります。

実印として登録できない印鑑

  • ゴム印など変形しやすい材質もの
  • 規格外のもの
  • 印影が不鮮明なもの
  • 文字が切れているもの
  • 外枠がないもの
  • 白文の印鑑(文字が凹)
  • ローマ字で作ったもの
  • 極端に図案化したりして本人の氏名と認め難いもの
  • 生年月日など氏名以外の事項を付記したもの
  • 芸名、ペンネーム、雅号、屋号などを使用したものなど

自治体によっては登録できない印鑑

  • 既製印の印鑑
  • ハンコの丈が1センチ以下など丈が極端に短い

印鑑の登録申請

印鑑の登録申請は,住民登録している市区町村役場へ直接本人が出頭し,印鑑登録申請書に印鑑を添えて役場窓口へ申請します。

やむを得ない理由によりみずから出頭することができないときは,その理由を証明する委任状を添えて代理人により申請することができます。委任状については役所に決まった書式が用意されていると思います。

持っていくもの

  • 実印登録する印鑑
  • 身分証明書
  • 登録費用(一件につき300円ぐらい)

申請が済むと『印鑑登録証』というカードが交付されます。これで印鑑の登録完了です。

印鑑登録申請時に身分証明書を所持していなかった場合は後日、役場が印鑑登録の申請の事実について文書その他の方法により申請者本人に照会し、申請者がその回答書を持参することによって確認できた時点で印鑑登録証の交付を受けることができます。

照会に対しその付された期限内に回答がない場合や申請が本人の意思に基づかないものであることが明らかになった場合は,印鑑登録の申請の受理が取り消されます。

外国人の方は

平成24年7月の法改正により、日本に居住の外国人住民の方にも日本人住民同様に住民票が作成可能になりました。

住民票の取得条件についてはこちらでは割愛させていただきます。住民票上の【氏名】【通称】【氏名のカタカナ表記】のいずれかを元に印鑑登録が可能です。

また、外国には日本の印鑑証明書に相当するサイン証明書があり、日本で印鑑登録していない外国人は、領事館などの在日外国公館でサイン証明書を発行してもらい印鑑証明書の代替として使用することが可能とされています。『日本にお住まいの外国人の方へ』でさらに詳しく

実印の印鑑証明

印鑑証明とは、必要書類に捺印された印鑑(実印)が間違いなく本人のものであるかを確かめること、さらに本人が必要書類の作成者であるかを確かめるもので、主に不動産の登記事務や公正証書の作成には印鑑証明が義務づけられており、重要な書類の作製には印鑑証明書が必ず必要になってきます。

よって、印鑑証明書が必要なときに、印鑑登録申請によって交付された『印鑑登録証』というカードを市区町村役場へ持参すれば、印鑑証明書を交付してもらえます。実印(登録印鑑)は必要ありませんが、発行費用は一通につき、300円ぐらいでしょう。印鑑証明書には以下の項目が記載されています。

  • 実印の印影
  • 登録番号
  • 登録年月日
  • 氏名
  • 出生の年月目
  • 男女の別
  • 住所

尚、この印鑑証明書に有効期限はありませんが、契約時などに提出先で『30日以内のもの』などと求められることがほとんどです。間違っても、“いつか必要なときのために”などと、前もって準備することがないよう必要なときに最新のものを用意するようにしましょう。

また、印鑑登録証を持参すれば、代理人であっても委任状なしにこの印鑑証明書を発行してもらえます。ただしその場合、登録者の住所、氏名、生年月日、世帯主氏名が必要となります。

したがって印鑑登録証のカードはそれらがわかるもの(保険証や免許証)などと一緒に保管しないようにしましょう。

引越ししたら実印どうなる

同じ市区町村へのお引越し

例:福岡県福岡市西区から福岡市東区へ引越しの場合
福岡市西区の役所で転居届を出して住民票を福岡市東区へ移動してあれば、同じ福岡市内のため印鑑の再登録申請は不要です。『印鑑登録証』を持参すれば、『印鑑登録証明書』の交付は今まで通り福岡市内の各区役所および各出張所で『印鑑登録証明書』の交付を受けることができます。

別の市区町村へのお引越し

例:福岡県福岡市西区から糸島市へ引越しの場合(転居届を提出)
転居届を出して住民票を糸島市へ移した際に、『福岡市の印鑑登録』は自動的に無効になります。『印鑑登録の廃止』の申請は特に行う必要はありません。新たに糸島市で印鑑の登録申請を行います。はんこ自体は福岡市で登録していた同じハンコ(印影)で構いません。
例:福岡県福岡市西区から糸島市へ引越しの場合(転居届は未提出)
糸島市で一人暮らし、住民票は実家がある福岡市西区のままという方は居住地はあくまで福岡市西区になります。糸島市で印鑑の登録申請は出来ないので、今まで通り福岡市内の各区役所および各出張所で『印鑑登録証明書』の交付を受けることができます。
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